【宅建業法】実践!過去問演習 解き方と勉強法を学ぶ その30

宅建過去問演習

本記事の第一回に「過去問演習の意義とやり方」について書いてますので、まだ読んでないって方はそちらの方を一読ください。

今回から「重要事項説明(35条書面)」の演習となります。いうまでもなく宅建士の独占業務であり、必ず出題される分野です。できないと必ず遅れをとることになりますのでしっかり勉強しましょう。
 

では、早速問題やっていきます。必要に応じて紙とペンを用意して考えてみてください。悩んだときに簡単な絵を描くと色々思い出せることがあるかもしれません。

 

宅建業法の演習 第53問

2016年 問27

Q:宅地建物取引業者Aが、マンションの分譲に際して行う宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 当該マンションの建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがある場合、Aは、その内容だけでなく、その使用者の氏名及び住所について説明しなければならない。

  2. 建物の区分所有等に関する法律第2条第4項に規定する共用部分に関する規約がまだ案の段階である場合、Aは、規約の設定を待ってから、その内容を説明しなければならない。

  3. 当該マンションの建物の計画的な維持修繕のための費用の積立を行う旨の規約の定めがある場合、Aは、その内容を説明すれば足り、既に積み立てられている額については説明する必要はない。

  4. 当該マンションの建物の計画的な維持修繕のための費用を特定の者にのみ減免する旨の規約の定めがある場合、Aは、買主が当該減免対象者であるか否かにかかわらず、その内容を説明しなければならない。

問題の外観
重要事項は「その情報を知らなかったら、もしかしたら取引してないかもしれない」くらいの内容のです。なので、その取引にまつわるカネ・権利などの情報は説明しないと必ずトラブルになるので未然に説明して判断をすることになります。ただ単に、やみくもに暗記しても忘れやすいだけなので、どうしてそのことを説明しなければいけないかを合わせて理解するようにしよう。
 

選択肢ごとのコメント

1 当該マンションの建物又はその敷地の一部を特定の者にのみ使用を許す旨の規約の定めがある場合、Aは、その内容だけでなく、その使用者の氏名及び住所について説明しなければならない。
誤り建物の敷地の一部を特定の者だけに使用させる規約を「専用規約」といい、これは説明しないとトラブルになる。その使用者の氏名及び住所は説明事項ではないその部分をどこの誰が使ってるなんて知ったところで売買の判断をするにはぶっちゃけどうでもいいでしょ?
 
2 建物の区分所有等に関する法律第2条第4項に規定する共用部分に関する規約がまだ案の段階である場合、Aは、規約の設定を待ってから、その内容を説明しなければならない。
誤り。共用部分に関する規約は説明事項これが案の段階でも説明しないとダメ。マンション買ってから規約が定まったじゃ遅くないですか?それがとんでもないヤバイ規約だったら後の祭りになっちゃうでしょ?
 
 当該マンションの建物の計画的な維持修繕のための費用の積立を行う旨の規約の定めがある場合、Aは、その内容を説明すれば足り、既に積み立てられている額については説明する必要はない
誤り。修繕積立も説明事項いくら積み立てられてるかは当然気になるでしょう?修繕積立金がプールされてないマンションを購入したいですか?よって売買の判断をするには大きな要素になるので説明は必須。
 
4 当該マンションの建物の計画的な維持修繕のための費用を特定の者にのみ減免する旨の規約の定めがある場合、Aは、買主が当該減免対象者であるか否かにかかわらず、その内容を説明しなければならない。
正しい。ある人の修繕費の減免をするということは、当然その分のしわ寄せがそのマンションの住民にいくということだから、納得のいく説明が欲しいですよね。
正解・・・④
基本事項の確認
〇マンションに関連した重要事項を確認せよ
〇テキストに載っているマンションの重要事項を暗記せよ
(すべて見ないで言えるようになるまでを何度も繰り返す練習をしよう)
 
 

宅建業法の演習 第54問

2010年 問35 

Q:宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明を宅地建物取引士が行う場合における次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 建物の売買の媒介の場合は、建築基準法に規定する建ぺい率及び容積率に関する制限があるときはその概要を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。

  2. 宅地の売買の媒介の場合は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。

  3. 建物の売買の媒介の場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。

  4. 宅地の売買の媒介の場合は、私道に関する負担について説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。

問題の外観
賃貸と売買の重要事項の違いはいつ何時出題されてもおかしくないので、両者の違いを完璧に暗記しておく必要がある。ポイントは、賃貸借特有の重要事項を覚える、賃貸借と売買の共通の事項を覚えること。常に考えておかなければいけないのは「なんで賃貸は当てはまらないのか」と違いの根拠を理解することである。

選択肢ごとのコメント

肢1 建物の売買の媒介の場合は、建築基準法に規定する建ぺい率及び容積率に関する制限があるときはその概要を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。
正しい。建蔽率・容積率はざっくりいうと「土地に対してどれくらいの規模の建物を建てていいかの度合い」である。売買の場合は修繕・建て替えなど行うときには当然知らなければいけない情報なので説明が必要だが、賃貸借の場合そんな情報知ったところで借主からしたら「知らんやん!」となります。
 
肢2 宅地の売買の媒介の場合は、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第6条第1項により指定された土砂災害警戒区域内にあるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。
誤り。土砂災害警戒区域に関する説明は、そこに住む人にとったら知っておかなければいけない情報でしょう!売買で住むか、賃貸で住むかで土砂災害のことを説明する・しないで分けられるとかおかしくないですか?
 
肢3 建物の売買の媒介の場合は、住宅の品質確保の促進等に関する法律第5条第1項に規定する住宅性能評価を受けた新築住宅であるときはその旨を説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。
正しい。住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能評価というのは、主に新築住宅を購入した方が、手抜き工事をされた建物を購入してしまい、多額の損害を被ってしまうケースが多発したという背景があって作られた制度。よって賃貸借はそもそもこの法律の対象外で関係ない。
 
肢4 宅地の売買の媒介の場合は、私道に関する負担について説明しなければならないが、建物の貸借の媒介の場合は説明する必要はない。
正しい。私道とは、「個人や法人が所有する土地の一部に設置された道路上の土地のこと」。所有する土地の話なので賃貸借契約の際の説明事項にはなりえない。だって借りてる人の話じゃなくて貸している人(土地・建物の所有者)が対象ですもの。
正解・・・②
基本事項の確認
〇賃貸借で特有の重要事項は何か調べよ。
〇テキストに書いてある上記重要事項を暗記せよ。
〇(すべて見ないで言えるようになるまでを何度も繰り返す練習をしよう)
 

過去の拙ブログでもこのあたりの問題の解説記事を書いていますので、過去問を解いて知識が足りないと思ったら読んでみてください。

 

こんな感じで定期的に記事を書いていきますので、皆さんの勉強の一助にしてみてください。

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