【宅建の勉強法】宅建業法を図で解説 ~業務上の規制~

宅建 業務上の規制 宅建業法

宅建 業務上の規制

この記事は宅建試験の勉強をするにあたり、以下のような疑問をお持ちの方に向けて作成いたしました。

・不動産の仕事をするにあたって、制限されることって何?
・制限の内容はどうやって覚えて言ったらいい?

宅建業法のメインである「業務」に入っていきます。間違いなく毎年出題される範囲なので確実に得点できるように図を繰り返し描いて練習しましょう。

規制内容の全体像

他の商売と違い、「不動産」という高額で数限りあるものを扱うので、宅建業法で制約を加え、ハチャメチャな取引ができないようにしています。
覚えてますか?宅建業法の目的は「消費者の保護」と「流通の円滑化」です。
業法 業務 全体像
 

業務処理の原則

民法にもある「信義誠実の原則」ですが、これは「誠実に取引をしてね。裏切り行為をしないでね。」という社会生活を営む上でごく当たり前な原則です。(「信義則」とも言われます)。
宅建業法でも「宅建業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない。」と規定しています。最低限のルールです。
ごく当たり前なルールですが、こうでも書かないとその裏をかいて商売してくるヤツが出てきちゃうんですよ

誇大広告の禁止

業法 誇大広告
図のような内容を広告で出す時に、「著しく事実に相違する表示をし、又は「実際のものよりも著しく優良・有利であると誤認させるような表示は禁止されています。そりゃそうですよね。
「広告」とは新聞、ラジオ、ダイレクトメール、インターネット、折込チラシ等すべての方法が対象です。
こんな広告に注意してください。
おとり広告
取引する意思のない不動産の表示」や「実際には存在しない不動産の表示」をおとり広告といい、このおとり広告も誇大広告の禁止の対象となる。
誇大広告違反になると業務停止処分になります。
 

広告開始時期の制限

業者は、土地や建物の開発許可や建築確認等の処分前未完成物件の広告をすることは禁止されています。
業者がまだ建築もされていないマンションを広告出したり、売り出したとする。ところが、建築確認が得られず、ヤッパリ建てちゃダメってなったらマンション買った人からしたらたまったもんじゃない。こういうトラブルを未然に防ぐためのルールです。
とりあえず、未完成物件って何でしょうか。
未完成物件
宅地の場合:造成工事が完了していない土地
建物の場合:建築工事が完了していない建物
一応こちらの語句も確認しておきます。
開発許可
都市計画法に基づき、宅地造成等(開発行為)を行なう際に必要とされる許可のこと。都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、開発許可の制度を設けている。

建築確認
建築基準法に基づき、建築物などの建築計画が建築基準法令や建築基準関係規定に適合しているかどうかを着工前に審査する行政行為
お上が「条件クリアしてるから造成していいよ、建物建てていいよ」ってなってから広告していいよってことです。当然「申請中」とか「申請済」などのときは広告だしちゃダメ
開発許可や建築確認とありますが、これがいっぱいある。いちいち覚えてられないので、許可等の前でも建築・造成がOKなら制限しなくともいいじゃんくらいで考えておきましょう。
 

契約締結時期の制限

制限の内容は広告と一緒です。お上の条件をクリアしてないと契約を結んではいけません。
ただし、貸借については契約締結しても違反にはなりません。ここだけ要注意!
賃借がOKなのは金額が比較的少額で、不特定多数の人に損害が及ばないから。
ここで再確認!宅建業の「取引」覚えてますか?下の図で確認してくださいね!
業法 用語2
 
未完成の広告、取引をまとめるとこんな感じかな。
業法 未完成
 

取引態様の明示

取引の態様はさっきの表のとおりです。要するにお客さんと取引するときは「売買」なのか「代理」なのか「媒介」なのかを相手に明確に示さないといけないよってことです。
A業者は自社物件をBさんに売ると思って取引してたら、Bさんは「いやいや、これ媒介じゃないの?」といったスレ違いを未然に防止するためです。
次のような明示義務が発生します。
広告をするとき」に態様明示
注文を受けたら遅滞なく」態様明示
広告を見て、取引したいってなった場合には、その都度、態様を明示しないといけません。注文を受けた時の明示は「口頭でもOK」です。
 

不当な履行遅延の禁止

宅建業者は、宅地建物の引渡しや登記、代金の決済などを不当に遅らせてはいけない
当たり前すぎますね。
 

秘密を守る義務

宅建業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしたイカンというごく当たり前なルールです。下記のようなときも守秘義務があります。

宅建業を営まなくなった後でも、守秘義務あり

宅建業者の従業員も同様に守秘義務あり(従業員でなくなった後も同様)

正当な事由があれば、秘密を漏らしていい。

「正当な事由」とは、「本人が承諾している場合」、「裁判上の承認として証言する場合等」です。

本人がOKって言ってるのに頑なに秘密を守るのは逆におかしいでしょう。また、裁判で証言するときに秘密だから言えないっていうのもおかしいでしょう。当然、黙秘権はあるので「言わなければいけない」わけではないです。これらの時に秘密を言っても宅建業法違反にはならんってだけです。

 

手付貸与等による契約締結の禁止

一応確認しておきましょうか。手付は3種類ありますが、不動産取引ではもっぱら「解約手付」として扱われます。
解約手付
買主は売主に対して払った手付金を放棄することにより、また売主は受け取った手付金の倍額を支払うことにより、相手が履行に着手するまでの間であれば売買契約を解除できる。
この手付金を業者がお客さんに貸し付けて、契約を勧誘しちゃならんってことです。
例えば、単に下見のつもりで訪れたお客さんに対し、お客さんの購入意思は曖昧であるにもかかわらず、業者が売上伸ばすためになんとかして取引したいとしましょう
「今買ってくれるんなら、手付金を貸しますよ」とか「手付金は立て替えておきますから」といって契約させることは、やっちゃいけんってことです。
手付金をただ減額したり、お金を借りるんならこの銀行紹介しますよって斡旋(あっせん)は問題なしです。
手付貸与をしたら業務停止処分です。
 

デマや黙秘の禁止

故意に不実のこと(ウソ・デマ)を伝えたり、故意に事実を伝えない(黙秘)ことはやっちゃダメってことです。当たり前ですよね。
 

断定や威迫の禁止

断定っていうのは「必ず〇〇です」、「絶対〇〇です」って表現を使うこと。
この土地は必ず後で値上がりするので買った方がイイです」とか言って売りさばこうとしちゃダメってことです。
 
威迫は字のごとく、相手をおどして取引しようとすることです。
お前がハンコをつくまで、通い続けてやるからな!」とかはやっちゃダメってことです。
 
断定や威迫は刑罰を与えるほど極悪な行為ではないので、罰則(懲役・罰金など)はないです。その代わり監督処分は食らいます。もちろん契約自体は取消になるケースが多いようです。
 
 
ふー、長くなりました。基本的には社会生活をしていく上でごく当たり前なことが書かれている感じです。広告のところと手付のところは宅建業法独特な感じがあるので重点的にやっておきましょう。
 
次回は業務の2回目、「媒介契約」についてやっていきます。
【宅建の勉強法】宅建業法を図で解説 ~媒介・代理契約~
前回の「保証協会」についての解説リンクはこちらです。
【宅建の勉強法】宅建業法を図で解説 ~保証協会~

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