【図を描いて攻略】宅建の民法の勉強法~借地借家法(借地②)

借地② 宅建・民法

借地②

借地権の対抗力って何?

期間満了前に建物が滅失したら?

借地権の2回目です。

くどいようですが「借地権」とはどういう権利かをもう一度おさらいしましょう。ココが肝です!

借地権
建物の所有を目的とする 地上権 または 土地の賃借権 のこと
地上権
建物を所有する目的で他人の土地を使用する権利。物権そのもの。
土地の賃借権
賃貸借契約に基づく賃借人の「土地を使わせてくれ」という債権
借地権の定義をしっかり押さえてから読み進めてください

1.借地権の対抗力

借地権の対抗力といわれてもイメージがつきにくいので、こんな感じで覚えておきましょう。
借地権の対抗力
建物を所有するために土地を借りている権利を持っているのは私だ!」と主張できること。
民法の場合、対抗要件の基本は「登記」です。地上権の場合は基本的に地主との間で地上権登記設定をしますが、賃借権の場合は「賃貸人に登記に協力しなければならない義務」はありません。このままでは賃借権の登記を得られない人は対抗力がないままになってしまいます。
そこで借地借家法で補正が入るわけです。
借地権の対抗力
借りている土地上に自己を所有者とした建物を登記すれば、借地権を対抗できるようにしました。仮に建物が滅失してしまった場合でも、借地権者が次の条件を満たせば建物の登記と同様の効力を有すると規定しました。
1.その建物を特定するために必要な事項
2.その滅失があった日
3.建物を新たに築造する旨を土地の見やすい場所に掲示
なお、この掲示の効力は、滅失した日から2年間有効とされています。
この借地借家法の特別ルールは借地権(地上権・土地の賃借権)両方に適用されますが、地上権は登記をする場合がほとんどなので、土地の賃借権を登記してもらえない場合によくあるパターンのようです。
 
この「借地上の自己所有の建物」、超重要です。これはみんな理解してくる論点ですから確実に押さえましょう。

2.契約中の建物滅失と再築

借地権の契約期間が満了する前に建物が火事などで滅失してしまった場合はどうなるでしょうか。

基本的には継続して土地を借りて建物を建て直しますが、残っている借地権の契約期間を超えて建物を再築する場合に、その契約期間が延長されるかどうかがここでの論点です。

建物の滅失が「最初の更新時期の前か後か」で延長されるかどうか分かれます。

建物の滅失 更新前

借地権の存続期間は短くても30年間というのは大丈夫ですかね。

最初の更新の30年間の間に建物が滅失してしまった場合です。図のAさん(地主・借地権設定者)に「あのー、建物がなくなっちまったんですけど、再築していいですかー?」って承諾をもらいに行った時にAさんの回答で場合分けです。

Aの承諾あり
承諾日 or 建物の再築日 のいずれか早い日から、借地権は20年(かそれ以上)延長される
Aの承諾なし
再築してもいいけど、借地権の期間の延長はしない
また、Aさんが、Bさんからの「承諾してください」っていう通知を受けて2か月してもその回答をしないときは、Aさんの承諾があったものとみなす、ということも覚えておきましょう。

一方、最初の更新をした後に建物が滅失した場合です。

建物の滅失 更新後

この場合もAさん(地主・借地権設定者)の回答により場合分けです。

Aの承諾あり
承諾日 or 建物の再築日 のいずれか早い日から、借地権は20年(かそれ以上)延長される
Aの承諾なし
借地権の残存期間を超えて存在する建物の再築はダメ
かりにAさんが再築をOKしないで、Bさんが借地権の残存期間を超えて存在する建物を建てた場合、Aさんは借地権の消滅請求(地上権の消滅請求・土地賃貸借契約の解消)ができます。なんで許可も出してねえのに建物なんか建ててやがるんだこいつは!!ってな感じ。
しかし、やむを得ない事情で再築せざるを得ないようなBさんを保護するために、Aさんの承諾に代わる裁判所の許可があれば再築OKとなりました。
(※更新後の場合は、承諾を求める2か月ルールはありません!!)
 
いやあ、複雑になってきましたね。それでもここから出題されるんです!!がんばりましょう!
 
前回の借地借家法(借地①)へのリンクはこちらです
【宅建】図解による民法の勉強法~借地借家法(借地①)【独学】

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