【宅建業法】実践!過去問演習 解き方と勉強法を学ぶ その37

宅建過去問演習

本記事の第一回に「過去問演習の意義とやり方」について書いてますので、まだ読んでないって方はそちらの方を一読ください。

今回も「37条書面」の演習となります。いうまでもなく宅建士の独占業務であり、必ず出題される分野です。できないと必ず遅れをとることになりますのでしっかり勉強しましょう。
 

では、早速問題やっていきます。必要に応じて紙とペンを用意して考えてみてください。悩んだときに簡単な絵を描くと色々思い出せることがあるかもしれません。

 

宅建業法の演習 第65問

2016年 問42

Q:宅地建物取引業法 (以下この間において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この間において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、Aは 宅地建物取引業者 (消費税課税事業者)である。

  1. Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。

  2. Aは、自ら売主として土地付建物の売買契約を締結したときは、37条書面に代金の額を記載しなければならないが、消費税等相当額については記載しなくてもよい。

  3. Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者Dの媒介により、宅地建物取引業者Eと宅地の売買契約を締結した。Dが宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させている場合、Aは宅地建物取引士をして当該書面に記名押印させる必要はない。

  4. Aは、貸主Fと借主Gの間で締結される建物賃貸借契約について、Fの代理として契約を成立させたときは、 FとGに対して37条書面を交付しなければならない。

問題の外観
テキストのみでは身につかない知識は、この問題の肢3、4をしっかり研究することで身に着くと思います。肢3は非常にややこしいので、登場人物が複数人出てきたら図を書いて考えるようにしましょう。肢4は民法の考え方があればなんてことないです。

選択肢ごとのコメント

肢1 Aは、宅地建物取引業者Bと宅地建物取引業者Cの間で締結される宅地の売買契約の媒介においては、37条書面に引渡しの時期を記載しなくてもよい。
誤り。即断即決レベルで簡単な肢。引き渡し時期のない契約書なんて考えられますか???
 
肢2 Aは、自ら売主として土地付建物の売買契約を締結したときは、37条書面に代金の額を記載しなければならないが、消費税等相当額については記載しなくてもよい。
誤り消費税の値段書いてなかったら、絶対トラブルになるでしょ。税抜き表示の値段が書いてあって、買主が「税込み価格だな」と思ってて、あとから「消費税払ってください!」ってなったら「聞いてないよー!!」ってなります。
 
肢3 Aは、自ら売主として、宅地建物取引業者Dの媒介により、宅地建物取引業者Eと宅地の売買契約を締結した。Dが宅地建物取引士をして37条書面に記名押印させている場合、Aは宅地建物取引士をして当該書面に記名押印させる必要はない。
誤り。めちゃくちゃややこしい日本語ですな。こういうときは図を書いて考えましょう。原則は「37条書面の交付義務は当事者双方、37条書面には宅建士の記名押印」。当事者はAとEなので、両者とも交付義務あり。Dは媒介業者なのでAとEに交付義務あり。よってA、D、Eすべての業者に交付義務あり
 
肢4 Aは、貸主Fと借主Gの間で締結される建物賃貸借契約について、Fの代理として契約を成立させたときは、 FとGに対して37条書面を交付しなければならない。
正しい。37条書面は契約の当事者双方に交付しなければいけないというのが原則。実際に契約をしているのはAとGだが、代理の効果は本人Fに帰属する。だから当然Fに契約書(37条書面)を渡さないといけないですよね。感覚的にも、Fは自分の代わりにAにお願いをして契約してもらってるんだから、本人Fとしては「契約書見せて」って当然なりますでしょ。
正解・・・4
基本事項の確認
〇37条書面に必ず記載する事項は何も見ないで言えますか?言えなかったら、見ないで言えるようになるまで繰り返し練習しましょう。
〇35条書面と共通する記載事項は何も見ないで言えますか?言えなかったら、見ないで言えるようになるまで繰り返し練習しましょう。
〇上記の内容を後回しにすると、あっという間に本番になってしまうので今すぐやろう!!
 
重要事項の暗記に困っている場合は下記の記事を参考にしてみてください。
 

宅建業法の演習 第66問

2017年 問38 

Q:宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、法の規定に違反しないものはどれか。

  1. 宅建業者Aは、売主を代理して宅地の売買契約を締結した際、買主にのみ37条書面を交付した。

  2. 自ら売主となる宅地の売買契約において、手付金等を受領するにもかかわらず、37条書面に手付金等の保全措置の内容を記載しなかった。

  3. Aは、媒介により宅地の売買契約を成立させた場合において、契約の解除に関する定めがあるにもかかわらず、37条書面にその内容を記載しなかった。
  4. Aは、自ら売主となる宅地の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関する特約を定めたが、買主が宅地建物取引業者であり、売主の担保責任に関する特約を自由に定めることができるため、37条書面にその内容を記載しなかった。

問題の外観
繰り返し言っているが、35条・37条書面の問題はその記載事項をちゃんと暗記していればほとんどの問題に対応できる。暗記すれば得点できるというラッキーな分野である。覚えて得点ができるのに、ここが苦手というのはやる気や勉強時間が足りないんじゃないの(煽り気味)!!ここができないと他の受験生と差がつく一方である。

選択肢ごとのコメント

肢1 宅建業者Aは、売主を代理して宅地の売買契約を締結した際、買主にのみ37条書面を交付した。
違反する。前年(2016年)にも全く同じ論点が出題されている。37条書面は契約の当事者に渡すもの。売り主に契約書がいかない状況っておかしくないですか?言った言わないを未然に防ぐための書面なのにそれが当事者に行かないことはおかしいという感覚を持ってください。
 
肢2 自ら売主となる宅地の売買契約において、手付金等を受領するにもかかわらず、37条書面に手付金等の保全措置の内容を記載しなかった。
違反しない。手付金は37条でなく35条書面の記載事項!絶対覚えておくんやで!
 
肢3 Aは、媒介により宅地の売買契約を成立させた場合において、契約の解除に関する定めがあるにもかかわらず、37条書面にその内容を記載しなかった。
違反する。「契約の解除についての内容でしょ?契約書に書かないでどこに書くのよ。契約の解除について取り決めたのに、それを契約書に書かなかったら絶対トラブルになるでしょ。
 
肢4 Aは、自ら売主となる宅地の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関する特約を定めたが、買主が宅地建物取引業者であり、売主の担保責任に関する特約を自由に定めることができるため、37条書面にその内容を記載しなかった。
違反する。この論点も何度も何度も繰り返し問われている。相手方が宅建業者でも、自分たちで決めた内容は37条書面に書かないといけない。決めなかったら書く必要はない。必ずテキストで「定めたら記載しなければならない事項」をすべて確認しておこう。
正解・・・②
基本事項の確認
〇35条・37条書面に共通の記載事項は暗記できていますか?全部言えるまで練習しよう。
〇手付金と内金の違いを言えますか?
〇「契約不適合担保責任」とはなにか説明できますか。
 

過去の拙ブログでもこのあたりの問題の解説記事を書いていますので、過去問を解いて知識が足りないと思ったら読んでみてください。

 

こんな感じで定期的に記事を書いていきますので、皆さんの勉強の一助にしてみてください。

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