【宅建業法】実践!過去問演習 解き方と勉強法を学ぶ その34

宅建過去問演習

本記事の第一回に「過去問演習の意義とやり方」について書いてますので、まだ読んでないって方はそちらの方を一読ください。

今回から「37条書面」の演習となります。いうまでもなく宅建士の独占業務であり、必ず出題される分野です。できないと必ず遅れをとることになりますのでしっかり勉強しましょう。
 

では、早速問題やっていきます。必要に応じて紙とペンを用意して考えてみてください。悩んだときに簡単な絵を描くと色々思い出せることがあるかもしれません。

 

宅建業法の演習 第61問

2018年 問39

Q:次の記述のうち、宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合、借賃以外に金銭の授受があるときは、その額及び授受の目的について、法第35条に規定する重要事項を記載した書面に記載しているのであれば、法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に記載する必要はない。

  2. 宅地建物取引業者が区分所有建物の貸借の媒介を行う場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する特約の内容について、37条書面に記載する必要はないが、売買の媒介を行う場合は、当該内容について37条書面に記載する必要がある。

  3. 土地付建物の売買契約において、買主が金融機関から住宅ローンの承認を得られなかったときは契約を無条件で解除できるという取り決めがある場合、当該売買の媒介を行う宅地建物取引業者は、自ら住宅ローンのあっせんをする予定がなくても、37条書面にその取り決めの内容を記載する必要がある。

  4. 宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業者でないBから建物の売却の依頼を受け、AとBとの間で専属専任媒介契約を締結した場合、Aが探索した相手方以外の者とBとの間で売買契約を締結したときの措置について、AとBとの間で取り決めがなければ、Aは法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載する必要はない。

問題の外観
35条書面は「宅地建物の重要な情報を書く書類」で、契約する前に読んで・説明を受けて取引するかどうかを決めます。37条書面は「いざ契約するぞってなったときに交わす契約書」そのものです。です。口約束でも契約自体は成立しますが、宅地建物という金額の大きな取引なので、後々の言った言わないを防ぐために書面にして残します。本問は、問題文自体が長いので混乱しやすいが聞かれている内容はごく基本的な内容。
 

選択肢ごとのコメント

1 宅地建物取引業者が建物の貸借の媒介を行う場合借賃以外に金銭の授受があるときは、その額及び授受の目的について、法第35条に規定する重要事項を記載した書面に記載しているのであれば、法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に記載する必要はない。
誤り。「借賃以外の金銭」が何かを知っていれば何でもない問題。賃貸借で言ったら「敷金、礼金」がこれに当たる。敷金・礼金が何か月分かは契約前に知っておきたいでしょ、んで契約書(37条書面)に敷金・礼金のとこ書いたなかったらおかしいでしょ?
 
2 宅地建物取引業者が区分所有建物の貸借の媒介を行う場合、損害賠償額の予定又は違約金に関する特約の内容について、37条書面に記載する必要はないが、売買の媒介を行う場合は、当該内容について37条書面に記載する必要がある。
誤り。「損害賠償の予定とか違約金」は賃借だろうと売買だろうと契約書(37条書面)に書いてないとまずいですよね、損害賠償とか違約金とか書類に書いてなかったら一番もめるところでしょ?
 
 土地付建物の売買契約において、買主が金融機関から住宅ローンの承認を得られなかったときは契約を無条件で解除できるという取り決めがある場合、当該売買の媒介を行う宅地建物取引業者は、自ら住宅ローンのあっせんをする予定がなくても、37条書面にその取り決めの内容を記載する必要がある。
正しい。民法で言うところの「解除条件付き契約」の話です。「ローンが通らなかったら解除する」なんて絶対に契約書に書かないとまずい内容です。書いてなかったら間違いなくトラブルになりますよね。媒介を行う宅建業者が自ら住宅ローンのあっせんをする予定があろうとなかろうと、当事者である売り主・買主の契約からしたら関係ない話です。日本語を正確に読まないと混乱する問題なので、わかりにくいときは図を書いて考えましょう。
 
4 宅地建物取引業者Aが、宅地建物取引業者でないBから建物の売却の依頼を受け、AとBとの間で専属専任媒介契約を締結した場合、Aが探索した相手方以外の者とBとの間で売買契約を締結したときの措置について、AとBとの間で取り決めがなければ、Aは法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載する必要はない。
誤り。専属専任媒介契約は、自己発見取引を禁じている媒介契約のこと。それゆえ、もしBが裏切ってAを外したら、「裏切ったらこのような制裁処置をとる!」と、取り決めて契約書に記載しなくてはいけないことになっている。
正解・・・③
基本事項の確認
〇37条書面に必ず記載しなければならない内容をテキストで確認せよ。
〇35条と37条書面で共通する記載事項をテキスト等で確認せよ。
〇37条書面は誰に交付すればよいか。
 
重要事項の暗記に困っている場合は下記の記事を参考にしてみてください。
 

宅建業法の演習 第62問

2013年 問31 

Q:宅地建物取引業者A社が宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この間において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. A社は、建物の貸借に関し、自ら貸主として契約を締結した場合に、その相手方に37条書面を交付しなければならない。

  2. A社は、建物の売買に関し、その媒介により契約が成立した場合に、当該売買契約の各当事者のいずれに対しても、37条書面を交付しなければならない。

  3. A社は、建物の売買に関し、その媒介により契約が成立した場合に、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を記載した37条書面を交付しなければならない。

  4. A社は、建物の売買に関し、自ら売主として契約を締結した場合に、その相手方が宅地建物取引業者であれば、37条書面を交付する必要はない。

問題の外観
37条に関して知っておいてほしい最低限の知識を聞いてる問題。文章も短いので即断・即決で正解してほしい。

選択肢ごとのコメント

肢1 A社は、建物の貸借に関し、自ら貸主として契約を締結した場合に、その相手方に37条書面を交付しなければならない。
誤り。どういう取引が宅建業に当たるかは散々やりましたよね。自ら貸主は「宅建業法の取引ではない」ので37条書面の交付義務もありません。
 
肢2 A社は、建物の売買に関し、その媒介により契約が成立した場合に、当該売買契約の各当事者のいずれに対しても、37条書面を交付しなければならない。
正しい。言った言わないを防ぐための37条書面なので、当事者の両方に交付しなかったら意味ないでしょ、と考えよう。
 
肢3 A社は、建物の売買に関し、その媒介により契約が成立した場合に、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容を記載した37条書面を交付しなければならない。
正しい。「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定め」つまり「危険負担」の内容は37条書面に記載必須です。必ず覚えておきましょう。
 
肢4 A社は、建物の売買に関し、自ら売主として契約を締結した場合に、その相手方が宅地建物取引業者であれば、37条書面を交付する必要はない。
誤り。相手方がプロの業者だからこそ、契約書(37条書面)をしっかり作成すべきでしょ。業者だからといって省略できるはずもない
正解・・・②、③
基本事項の確認
〇危険負担とは何かを調べよ
〇37条書面に宅建士の記名押印は必要か。
〇37条書面の内容に説明義務はあるか
 

過去の拙ブログでもこのあたりの問題の解説記事を書いていますので、過去問を解いて知識が足りないと思ったら読んでみてください。

 

こんな感じで定期的に記事を書いていきますので、皆さんの勉強の一助にしてみてください。

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