【宅建業法】実践!過去問演習 解き方と勉強法を学ぶ その25

宅建過去問演習

本記事の第一回に「過去問演習の意義とやり方」について書いてますので、まだ読んでないって方はそちらの方を一読ください。

今回から「媒介契約」の演習となります。一般・専任・専属専任の違いを完全暗記することが得点する上での前提条件です。
 

では、早速問題やっていきます。必要に応じて紙とペンを用意して考えてみてください。悩んだときに簡単な絵を描くと色々思い出せることがあるかもしれません。

 

宅建業法の演習 第43問

1999年 問37

Q:宅地建物取引業者Aが、Bから宅地の売却の依頼を受け、Bと専属専任媒介契約(以下この問において「媒介契約」という。)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか

  1. 「媒介契約の有効期間内に宅地の売買契約が成立しないときは、同一の期間で契約を自動更新する」旨の特約を定めた場合、媒介契約全体が無効となる。

  2. 宅地の買主の探索が容易で、指定流通機構への登録期間経過後短期間で売買契約を成立させることができると認められる場合には、Aは、契約の相手方を探索するため、当該宅地について指定流通機構に登録する必要はない。

  3. Bが宅地建物取引業者である場合でも、Aが媒介契約を締結したときにBに交付すべき書面には、BがAの探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を記載しなければならない。

  4. 媒介契約において、「Bが他の宅地建物取引業者の媒介によって宅地の売買契約を成立させた場合、宅地の売買価格の3パーセントの額を違約金としてAに支払う」旨の特約は、無効である。

問題の外観
まずは前文の「専属専任媒介契約」という言葉を確実に拾わなければいけない。前文も絶対におろそかにしてはいけない。媒介契約を解くには、「一般媒介、専任媒介、専属専任媒介」の違いを完全に暗記する必要がある。どのテキストにも必ず表がまとめられていると思うので、その表の中を隠して言えるようになるまで繰り返し暗記しよう。本問の場合、肢1,2、3は超基本事項。肢4で迷うかもしれない。
 

選択肢ごとのコメント

肢1 「媒介契約の有効期間内に宅地の売買契約が成立しないときは、同一の期間で契約を自動更新する」旨の特約を定めた場合、媒介契約全体が無効となる
誤り。専属専任媒介契約及び専任媒介契約には自動更新はない。よって「契約を自動更新」という特約は無効だが、契約全体が無効になるわけではない
 
肢2 宅地の買主の探索が容易で、指定流通機構への登録期間経過後短期間で売買契約を成立させることができると認められる場合には、Aは、契約の相手方を探索するため、当該宅地について指定流通機構に登録する必要はない
誤り。専属専任媒介契約の場合、指定流通機構(レインズ)への登録は義務。例外なし。
 
肢3 Bが宅地建物取引業者である場合でも、Aが媒介契約を締結したときにBに交付すべき書面には、BがAの探索した相手方以外の者と宅地の売買又は交換の契約を締結したときの措置を記載しなければならない。
正しい。専属専任媒介契約は、媒介を依頼した相手方が、複数の業者に媒介を依頼することができず、加えて、物件の買主を依頼者自身が探すことができた場合であっても、依頼した媒介業者を通さずに取引してはいけない契約(自己発見取引の禁止)のこと。なので依頼者がその禁止事項に違反したときの措置(ペナルティ)を契約書に書かないといけない。ちなみに媒介契約書は取引相手が宅建業者だろうと省略できないこともきっちり覚えておこう。
 
肢4 媒介契約において、「Bが他の宅地建物取引業者の媒介によって宅地の売買契約を成立させた場合、宅地の売買価格の3パーセントの額を違約金としてAに支払う」旨の特約は、無効である。
誤り。肢3のように依頼者が「自己発見取引の禁止」に違反したときのペナルティは媒介契約書への記載事項です。この時のペナルティは宅建業法に記載がないので極論「いくらでもいい」となる。よって問題文の特約は無効とはならない。
正解・・・③
基本事項の確認
〇「自己発見取引」とは何か。
〇「専任媒介」と「専属専任媒介」の違いは何か。
〇指定流通機構(レインズ)の役割は何か。
 
 

宅建業法の演習 第44問

2004年 問39 

Q:宅地建物取引業者Aが、B所有の宅地の売却の媒介依頼を受け、Bと専任媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. AがBに交付した媒介契約書が国土交通大臣が定めた標準媒介契約約款に基づかない書面である場合、その旨の表示をしなければ、Aは業務停止処分を受けることがある。  

  2. 媒介契約の有効期間の満了に際し、BからAに更新の申出があった場合、Aは更新を拒むことはできない。

  3. AがBに宅地の価額について意見を述べる際に、Bからその根拠を明らかにする旨の請求がなければ、Aはその根拠を明らかにする必要はない。   

  4. 媒介契約の締結にあたって、業務処理状況を5日に1回報告するという特約は無効である

問題の外観
やはり、媒介契約の問題を解くうえで必須なのは「一般・専任・専属専任」の違いを完全に暗記していること。肢4は確実に捌いてほしい問題。肢1、2,3はテキストにも載っているものもあるが、ぜひ一般常識的な観点からも解けるようにしてほしい。こういう観点は過去問を繰り返し解き身につけていってほしい。

選択肢ごとのコメント

肢1 AがBに交付した媒介契約書が国土交通大臣が定めた標準媒介契約約款に基づかない書面である場合、その旨の表示をしなければ、Aは業務停止処分を受けることがある。 
正しい。大臣が決めたルールに基づかない書面なんだから、それに違反したら罰を受けるというのは当然な流れ。
 
肢2 媒介契約の有効期間の満了に際し、BからAに更新の申出があった場合、Aは更新を拒むことはできない
誤り。依頼者Bの申し出があれば契約更新できる。しかし、業者Aはそれを拒むこともできる。宅建業法に限らず「契約の更新を拒めない」というのは何か脅迫されているのか、何か弱みを握られているのかという状況でないとありえないでしょ?一般常識的にもおかしいと感じてほしい。
 
肢3 AがBに宅地の価額について意見を述べる際に、Bからその根拠を明らかにする旨の請求がなければ、Aはその根拠を明らかにする必要はない。
誤り。依頼者Bから請求がなくても、価格などの意見を述べるときはその根拠も併せて説明しないとダメ。業者に何の根拠もなくテキトーに物件を査定されてしまっては困るでしょ。
 
肢4 媒介契約の締結にあたって、業務処理状況を5日に1回報告するという特約は無効である。
誤り。業務処理状況の報告義務は、専任媒介契約では2週間に1回以上、専属専任媒介契約で1週間に1回以上。「以上」なのでそれより多い報告回数にしても何らルールに反することではない。
正解・・・①
基本事項の確認
〇一般・専任・専属専任の「業務処理状況の報告義務」の違いを述べよ
〇一般・専任・専属専任の「レインズへの登録義務」の違いを述べよ
〇一般・専任・専属専任の「契約の有効期間」の違いを述べよ
 

過去の拙ブログでもこのあたりの問題の解説記事を書いていますので、過去問を解いて知識が足りないと思ったら読んでみてください。

 

こんな感じで定期的に記事を書いていきますので、皆さんの勉強の一助にしてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました