【宅建業法】実践!過去問演習 解き方と勉強法を学ぶ その20

宅建過去問演習

本記事の第一回に「過去問演習の意義とやり方」について書いてますので、まだ読んでないって方はそちらの方を一読ください。

「営業保証金」の3回目の演習となります。「弁済業務保証金分担金」と比較されることが非常に多いので常に違いを気を付けて練習することが重要です。
 

では、早速問題やっていきます。必要に応じて紙とペンを用意して考えてみてください。悩んだときに簡単な絵を描くと色々思い出せることがあるかもしれません。

 

宅建業法の演習 第37問

2016年 Q:宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県に本店と支店を設け、営業保証金として1,000万円の金銭と額面金額500万円の国債証券を供託し、営業している。この場合に関する次の記述のうち宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変吏した場合は、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければならない。

  2. Aは、営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、供託書の写しを添附して、30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。

  3. 本店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,000万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。

  4. Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合において、従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。

問題の外観
幸いにも肢1がカンタン、かつ正解肢なので得点しやすい。肢2、3も基本事項。しかし、今後の試験対策を考えて肢4をしっかり研究しておく必要がある。営業保証金制度の目的が何かをしっかり理解しておけば考えやすい。営業保証金に限らず日ごろの勉強では「この条文・制度はどういう目的を果たすためにあるのか」を理解しておく必要がある。目的もなく成立する法律はなく、何かしらの意義、達成したい何かがあるからその条文がある
 

選択肢ごとのコメント

肢1 Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変吏した場合は、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければならない。
正しい。営業保証金を現金のみで供託している場合、供託している供託所に対し、保管替えを請求することができる。一方、現金と有価証券もしくは有価証券のみで供託している場合は、遅滞なく、営業保証金を移転後の主たる事務所の最寄りの供託所新たに供託し、従前の供託所に対して営業保証金の取戻しの請求を行う。本問は現金と有価証券を供託しているので後者の場合。よって肢は正しい。
 
肢2 Aは、営業保証金が還付され、営業保証金の不足額を供託したときは、供託書の写しを添附して、30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
誤り。供託金の不足分を追加した後は、2週間以内に免許権者に届け出。「期間」に関する知識は常に「スタートがいつか」、「どのくらいの期間か」を意識しておかなければいけない。
 
肢3 本店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は、その取引により生じた債権に関し、1,000万円を限度としてAからその債権の弁済を受ける権利を有する。
誤り営業保証金の額を限度として還付請求できる。よって1500万円までOK。
 
肢4 Aは、本店を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合において、従前の営業保証金を取りもどすときは、営業保証金の還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間内に申し出るべき旨の公告をしなければならない。
誤り。Aは現金と国債を供託しているので、本店移転の際は、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託し、移転前の本店の最寄りの供託所に対して、取戻しの請求を行うことになる。・・ということは一時的に2重で供託している状態になる。従前の営業保証金を取り戻しても移転後の供託所に営業保証金が預けてあるので債権者としては万が一のことがあっても債権を回収できる状態にあり、格別困るような状態ではない。よって営業保証金を取り戻すための公告をする必要はない。
正解・・・①
基本事項の確認
〇今一度、営業保証金を「現金と有価証券」で供託している際の本店移転があったときの手続きを再確認せよ。
〇営業保証金の有価証券の評価率は3種類言えるか。
〇二重供託のときに取戻しの公告が不要な理由をのべよ。
 
 

宅建業法の演習 第38問

2014年 Q:宅地建物取引業法に規定する営業保証金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 新たに宅地建物取引業を営もうとする者は、営業保証金を金銭又は国土交通省令で定める有価証券により、主たる事務所の最寄りの供託所に供託した後に、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない。 

  2. 宅地建物取引業者は、既に供託した額面金額1,000万円の国債証券と変換するため1,000万円の金銭を新たに供託した場合、遅滞なく、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

  3. 宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額を供託し、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。    

  4. 宅地建物取引業者が、営業保証金を金銭及び有価証券をもって供託している場合で、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更したときは、金銭の部分に限り、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。

問題の外観
肢2の知識は知らない場合が多いので、肢1,3,4をきっちり判断して消去法で行く。肢1,3,4は何度も問われてる内容で、今後もいつ問われてもおかしくないので確実に押さえておく必要がある。

選択肢ごとのコメント

肢1 新たに宅地建物取引業を営もうとする者は、営業保証金を金銭又は国土交通省令で定める有価証券により、主たる事務所の最寄りの供託所に供託した後に、国土交通大臣又は都道府県知事の免許を受けなければならない
誤り。超基本事項。大金を供託した後に「免許が下りませんでしたー」って無駄なシステムおかしくないですか?免許が下りた後にお金を供託が正しいです。
 
肢2 宅地建物取引業者は、既に供託した額面金額1,000万円の国債証券と変換するため1,000万円の金銭を新たに供託した場合、遅滞なく、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
正しい。「営業保証金の変換の届出」の条項。営業保証金の変換のため新たに供託したときは、遅滞なく、その旨を、供託書正本の写しを添付して、その免許を受けている国土交通大臣又は都道府県知事に届け出るものとする。テキストにない内容かもしれないが、この問題を機に覚えてしまおう。
 
肢3 宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額を供託し、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。
誤り。ホントによく出る論点。営業保証金の供託は、従たる事務所の最寄りの供託所ではなく、主たる事務所の最寄りの供託所にする
 
肢4 宅地建物取引業者が、営業保証金を金銭及び有価証券をもって供託している場合で、主たる事務所を移転したためその最寄りの供託所が変更したときは、金銭の部分に限り、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所への営業保証金の保管替えを請求することができる。
誤り。金銭のみの供託であれば保管換えできる。金銭部分のみの保管換えなんて特別ルールはない。金銭+有価証券のときは移転後の主たる事務所の最寄りの供託所に別途、新たに営業保証金を供託しなければいけない。
正解・・・②
基本事項の確認
〇免許の申請をしてから、営業ができるまでの流れを箇条書きで説明できるか。
〇営業保証金はどこに供託するのか。
〇金銭+有価証券で供託した時、本店が移転した時の手続きは何をすればいいか。
 

過去の拙ブログでもこのあたりの問題の解説記事を書いていますので、過去問を解いて知識が足りないと思ったら読んでみてください。

 

こんな感じで定期的に記事を書いていきますので、皆さんの勉強の一助にしてみてください。

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