【宅建業法】実践!過去問演習 解き方と勉強法を学ぶ その7

宅建過去問演習

本記事の第一回に「過去問演習の意義とやり方」について書いてますので、まだ読んでないって方はそちらの方を一読ください。

今回は、宅建業法に規定されている「事務所」の論点と、加えて「免許の申請」について解説していきます。免許の申請については毎年必ず出題される論点ですので、繰り返し反復練習すべきところです。

では、早速問題やっていきましょう。必要に応じて紙とペンを用意して考えてみてください。悩んだときに簡単な絵を描くと色々思い出せることがあるかもしれません。

 

宅建業法の演習 第11問

2017年 Q:宅地建物取引業の規定によれば正しいものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者は、自ら貸主として締結した建物の賃貸借契約について、法第49条に規定されている業務に関する帳簿に、法及び国土交通省令で定められた事項を記載しなければならない。

  2. 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を、一括して主たる事務所に備えれば、従たる事務所に備えておく必要はない。

  3. 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿に報酬の額を記載することが義務付けられており、違反した場合は指示処分の対象となる。

  4. 宅地建物取引業者は、その業務に従事する者であっても、一時的に事務の補助のために雇用した者については、従業者名簿に記載する必要がない。

本問の論点:宅建業の事務所に備え付けないといけないものは何か。
問題の外観
この問題に関しても肢1、2を正確に判断し、肢3で正解を選ぶ!というような超基本問題です。肢4も解説の必要のないくらいの基本事項です。

選択肢ごとのコメント

肢1 宅地建物取引業者は、自ら貸主として締結した建物の賃貸借契約について、法第49条に規定されている業務に関する帳簿に、法及び国土交通省令で定められた事項を記載しなければならない。
自ら貸主」なので、そもそも宅建業法に定める「取引」ではないから、業法の規制を受けない。よって帳簿の記載義務もない。
 
肢2 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿を、一括して主たる事務所に備えれば、従たる事務所に備えておく必要はない。
帳簿は「事務所ごとに」設置しなければならない。
 
肢3 宅地建物取引業者は、その業務に関する帳簿に報酬の額を記載することが義務付けられており、違反した場合は指示処分の対象となる。
正解肢。「報酬額」は記載事項である。違反した場合は指示処分の対象。
 
肢4 宅地建物取引業者は、その業務に従事する者であっても、一時的に事務の補助のために雇用した者については、従業者名簿に記載する必要がない。
非常勤の役員や単に一時的に事務の補助をしようが、名簿に記載しないとダメ。常識的に考えても、どんな理由であれ「雇用」した時点で従業員。名簿に載せない理由がない。
正解・・・①
 
基本事項の確認
〇宅建業法に対象となる「取引」はしっかり把握しているか。
〇業者に対する「指示処分」はどういう場合にできるか。3~4個調べてみよ。
〇業法49条「その事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、宅建業に関し取引のあった都度、その(1)、その取引に係る宅地又は建物の(2)及び(3)その他国土交通省令で定める事項を記載しなければならない。(1)~(3)の語句を埋めよ。
 
 
 

宅建業法の演習 第12問

2019年 Q:宅地建物取引業の規定によれば正しいものはいくつあるか。

  1. 破産手続開始の決定を受けた個人Aは、復権を得てから5年を経過しなければ、免許を受けることができない。

  2. 宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた取締役がいる法人Bは、その刑の執行が終わった日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。

  3. 宅地建物取引業者Cは、業務停止処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に、相当の理由なく廃業の届出を行った。この場合、Cは、当該届出の日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。

  4. 宅地建物取引業に係る営業に関し青年と同一の行為能力を有する未成年者Dは、その法定代理人が禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。

本問の論点:宅建業法の「欠格事由」とはなにか。
問題の外観
ただでさえ難易度の高い個数問題だが、その上一番覚えずらい「欠格事由」なので難しい部類には入ると思う。しかし、周りに差をつけるためにはこういう問題をGETしなければならない。覚えにくい内容は「定期的にその情報に触れる」、つらいと思うが、「何も見ないで書く・言う」という暗唱の練習をするといい。

選択肢ごとのコメント

肢1 破産者であった個人Aは、復権を得てから5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
正しい。破産者は復権を得れば直ちに免許を受けられる。そのまま覚えましょう。「復権」とは破産手続開始によって破産者に課せられた権利の制限を無くし,破産者の本来の法的地位を回復させる制度のことをいう。
 
肢2 宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられた取締役がいる法人Bは、その刑の執行が終わった日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
誤り。取締役などの役員がダメなことしたら、その法人もダメ。だからそういう法人も免許は受けられない。
 
肢3 宅地建物取引業者Cは、業務停止処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に、相当の理由なく廃業の届出を行った。この場合、Cは、当該届出の日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
誤り。いわゆる「かけこみ廃業」の問題。単に「業務停止処分」では免許の基準に該当せず。「業務停止処分に違反」したときのかけこみ廃業は廃業等の届出から5年はダメ
 
肢4 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者Dは、その法定代理人が禁鋼以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しなければ、免許を受けることができない。
誤り。「営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者なのだから、この時点で免許を受けることはできる。法定代理人が欠格事由に当てはまったとしても関係なし。
正解・・・1こ
 
基本事項の確認
〇かっこ内に当てはまる語句は何か。
(1)、懲役に処せられた者、(2)違反で罰金に処せられた者、暴行、傷害、脅迫、背任などなどで(3)に処せられた者は刑の執行後(4)年間は免許をもらえない。
〇執行猶予中は免許がもらえるか?有罪判決を受けて、控訴、上告中は免許はもらえるか?
 
 
非常に細かいところまで問われますが、毎年よく出ます。問題演習を通して知識を身に着けてください。

過去の拙ブログでもこのあたりの問題の解説記事を書いていますので、知識が足りないと思ったら読んでみてください。

 
このまま演習を続ける場合は、こちらへどうぞ。
前の演習に戻る場合は、こちらへどうぞ。

 

こんな感じで定期的に記事を書いていきますので、皆さんの勉強の一助にしてみてください。

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